藤原定家(ふぢはらのさだいへ)は塚本邦雄の神か悪魔か
藤原定家は、日本人が誇るべき偉大な芸術家である。
彼が残した、つまり彼の筆になる日本文学の古典も数多い。
貴族であり、すでに政権は鎌倉武士に移行していたが、彼はそれなりの官位を昇りながら、芸術のドンとして生涯を終えた。
後世名高い『小倉百人一首』も、定家撰ということになっている。
これに塚本邦雄が『新撰 小倉百人一首』を上梓しているから、楽しくてたまらない。
塚本邦雄には、藤原定家の芸術を教えられただけではない。
次は、斎藤茂吉である。
しかし、塚本経由の茂吉(赤光やあらたまなど)の前に、斎藤茂吉著『万葉秀歌』で新古今以外の和歌の美世界を堪能させてもらった。
柿本人麻呂、高市黒人、山部赤人、山上憶良、大伴旅人、大伴家持など、古文教科書・国文学史の超有名人の歌は、やはりすばらしかった。
有名な人は理由があって有名だということを思い知ったのである。
これはクラシック音楽でも、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンがすばらしいのと同様である。