2005-12-16 一太郎文藝を所有、文藝版ATOK2005の日本語
昨日、「一太郎 文藝」なるものを購入し、今試用している。といっても、使用しているのは、文藝版ATOK2005である。
一太郎2005は既に持っていたし、そもそも執筆はエディタを使った方が言葉が続くし、ましてビジネス文書ではWord一本である。
なぜ、「一太郎 文藝」を買ったのか?
一応、言葉の芸術に嗜好を持つ者として、コレクションしてみてもいいかなと思ったことは確かだ。
しかし、高い。一太郎2005からの優待版でも、26,250円もする。 秀英細明朝フォントが高くつくのだろう。
類語辞典が欲しかった
一番は、角川類語新辞典が使いたかったからだ。
文章を書くならボキャブラリは豊富でありたい。
文体に無頓着な駄文の愚者ではありたくない。
二昔前は、国語辞典、漢語辞典、類語辞典などを総動員して、言葉に工夫をしたものだ。
一昔前は、エー・アイ・ソフトのWXG4なる、最高最後のIMEをカスタマイズ仕上げ、自作辞書で数万語登録したものだ。
WXシリーズが開発中止となって、インターネットビジネスに忙殺されて、電脳入力にも意欲も魅力もなくなって、IMEにこだわるのも面倒になって、MS-IMEなる粗末なもので我慢して数年…
電子辞書は数々所有すれど、この角川類語新辞典は、ATOK用しか電子版がないのである。
選択肢は限られる。あとは、歴代購入してはアンインストールしているATOKを常用できるかどうかだ。
日本語入力を膨らませる
そのほか、一太郎 文藝用辞書が特別に用意され、また康煕字典体が素早く入力できること。
明鏡国語辞典も付いてくる。国語辞典はたくさん揃えたい。
美しい秀英体フォント。かつJIS X 0213:2004規格対応で第三・第四水準漢字も、万が一の時に出力できる。
しかし、秀英体はともかく、既にあるATOK2005に、辞典を買い足せば済む話。これだけでは、一太郎 文藝を買う決め手には遠い。
ATOKは古語も入力できた!
これが、購入の決定打だった。
- 見渡せば花ももみぢもなかりけり浦のとまやの秋の夕ぐれ
- かすみ立つ峰のさくらのあさぼらけくれなゐくくる天の川波
- 波の音に宇治の里人よるさへや寐ても危ふき夢の浮橋
- ひとり寝る山鳥の尾のしだり尾にしもおき迷ふとこの月影
- 春の夜の夢の浮橋とだえして嶺に別かるるよこぐもの空
- 霜まよふ空にしをれし雁が音のかへるつばさに春雨ぞ降る
- 白栲の袖の別れにつゆ落ちて身にしむ色の秋風ぞ吹く
藤原定家の和歌をいくつか試してみたが、完璧である。
どのバージョンからか、ATOKは古語も入力できるようになっていたことを、はじめて知ったのである。
ATOKのカスタマイズ
さぁ、ではATOKは、好みのキーカスタマイズができるか、ローマ字をカスタマイズできるか、押し入れの一太郎2005を取り出し、インストールしたATOK2005を一週間ほど試して、99%好みのものに変更できることを確認して、一太郎 文藝を注文した。
逆に言えば、欲しくて堪らなかった角川類語新辞典も、古語が入力できるATOKからダイレクトで利用できることになるわけだ。
格調や実績のある秀英体まで手に入る。
日本語に拘るものとして、ワープロの文芸バージョンは必須のコレクション。
こうして、買わない理由がなくなったのであった。
使いはじめた今は、頗る満足していることを付け加えておこう。